0で割ってはいけない。
巷では色々な理由がひねり出されているけれども、
計算論の立場から理由を見つけてみよう。
細かい話は計算論の本を読んでもらうとして、
ここではエッセンスだけを紹介。
計算論では、非常に簡単な演算規則(足し算すらない!!)から始めて、
見慣れた計算規則(四則や指数対数など)を組み立てていく。
簡単な計算を繰り返し使ったりして、計算するアルゴリズム(計算の手続き)を作っていく。
今、加減(+,-)は使って良しとしよう。
掛け算 a × b は、a を b回足して、足し終わった結果が答え。
割り算 a ÷ b は、(自然数の範囲に限るならば)、
a から何回 b を引けるかをカウントして、引けなくなったら答え。
ところが、b がゼロだと、いつまで引いてもこの計算の手続きは終わらない。
計算論では、このように計算の手続きが終わらない場合、その値を未定義であるとする。
#計算が止まって、結果として未定義というものが出てくるという意味ではないです。
要するに、
0 で割る計算は、アルゴリズム止まらない。止まらない場合は未定義とされる。
#計算終わらないことがどうやってわかるのかというと、一つには、アルゴリズムが止まらないことを(人間が)証明すればよろしいですな。
補足: この議論には穴があるといえばある。割り算の定義(計算の方法)を変えて、b (割る数) が 0の時には、何か適当な値を答えとして吐き出して停止して、b が 0 ではない場合には先ほどの計算方法をとる、とすれば b=0 でも未定義じゃない。ではこの定義を採用すると、数学的にどう困るか…ここからはよく知られている議論なので割愛。「0の逆元」でググってください。
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