【言語技術】【要点】簡潔な文章を書く方法、その基本

書く

説明的な文章を書くときの基本をここにまとめておく。

 

 

  1. 言いたいことは一つにする
  2.  主題=言いたいこと を支える、文章の要素
  3. 文章全体の形
  4. まとめ

パラグラフリーディングパラグラフライティングを元に話をしているので、興味があれば調べてみてほしい (リンクは Google 検索)。

言いたいことは一つにする

何を書こうかと考えているときに、メモを書いたり、殴り書きで長い文章を書いていると、色々なものが混ざって出てくる。これ自体は悪いことじゃない。とってもすばらしいこと。

だけど…

最終的に書いて人に見せるものは、言いたいことを一つに絞ること。あなたの書いた下書きやメモが、どんなに長くても、何百ページになろうとも、

言いたいことの一文以外は、 その言いたいことの説明でしかない

ようにしなければならない。

他の部分は、どんなに立派でも、素晴らしい内容でも、

泣いて捨てろ!! (か、こっそり引き出しにでもしまえ!!)

#今回思いついたことを、今度また書くときのネタにすれば良いだけの話だよ。

これは、集約の原則と呼ばれるものに基づいている。

Concentration Rule 集約の原則

どんなに長い文章でも「作者の結局言いたいこと」は主題段落 (Topic paragraph) に集約して表される。

そして、主題段落の中で「作者の結局言いたいこと」はその段落の中の主題文 (Topic sentence) に集約して表される。

そしてまた、その主題文の中で「作者の結局言いたいこと」はその中の主題句 (Topic phrase) に、そして、さらには、その中の主題語(Topic Word) に表される。

Topic Word は、その文章が結局「何について書かれたか」の最大・最終の文章核 (core) を表わす。

(現代文の科学的研究I 評論編より/着色は当サイト管理人による)

補: 言いたいことを句にまで縮めると、これはほとんど題名になる。小説などの題名と違って、説明的な文章の題名は、全体を要約して句にしたものでなければならない。

上の集約の原則を見ると、topic paragraph は topic sentence を含むし、topic sentence は topic phrase を含み、それはさらに topic word を含む。入れ子になっているわけだ。

では、その入れ子の隙間には何が入っているのかというと、言うまでもなく言いたいことの説明が入っているわけだ。言いたいことを支えるものが入っているわけだ。どんなものだろう??

主題=言いたいこと を支える、文章の要素

連関の三種類

同一指示 (coreference): 同じ事を別の言葉で述べたもの。文章の中では始終なされることである。

分析 (analysis): ある部分を、さらに詳しく説明した部分をいう。敷衍(paraphrase または、amplification)といっても同じである。

近接 (contiguity) と類似 (similarity): ある部分を、関係の深い言葉に代えたり、例を挙げて説明したりする部分をいう。比較とか例示とかいうもの当たる。

(現代文の科学的研究I 評論編より/着色は当サイト管理人による)

このままでは使いづらいので、このサイトでは説明の種類を豊かにしてみよう。

言葉が硬いので、同一指示という代わりに、「反復」、としておく。人に何か伝えようとすると、繰り返す必要があるけれども、しかしまったく同じ事を繰り返しても今度は読んでくれない。それで色々と言い換えをすることになる。言い換えはさらに利点があって、同じ内容を指しているにもかかわらず、イメージさせるものを変えていくことができる。

説明」に加えて、「理由」も関連を表すものに採用しよう。

「近接と類似」の部分は、「比較」「類似」「例示」「比喩」としておく。ここの関連はどんなものか分かると思うので、ここでは解説しない。

関連記事:

【言語技術】文章とイメージ(想像していること)の関係は2つある

 

まとめると、

  1. 反復
  2. 説明、理由
  3. 比較、類似、例示、比喩

だ。

高校の現代文読解についての参考書などには、ここで書いてあるもの以外の文章の部分と部分 (単語どうし、句どうし、文どうし、段落どうし) の関連が載っているものもある。手元にあれば参考にしてみてほしい。

ここまでで個々の関連は分かったのだけれども、全体としてどのような形にすればいいのだろうか??

文章全体の形

単刀直入に言うと、

ツリー状

になる。言いたいこと、つまり主題が根っこになり、そこに説明がつき、さらに説明の説明がつく (広い意味での説明の意)。

ただ、このツリーが上向きのときと、下向きのときがある。どういうことか。

文章を上から下に読むとして、ツリーが下向きというのは、まず言いたいことを言ってしまい、それから色々と説明を加える。こういった方式だ。主題に説明がいくつかつき、その説明にまた説明がぶら下がってゆく。もちろん、

何の関係もないものが宙ぶらりんになってはいけない。そういうものは躊躇なく捨てること。

逆に、ツリーが上向きのときは、いろいろと証拠などを挙げながら、最終的に言いたいことを言う、という方式だ。それぞれの部分が関連をもっていなければならないのは、無論ツリーの向きの上下によらない。

お喋りや、小説などのストーリー仕立てのものに慣れ親しんでいると、最初に肝心要の面白いところ(いわゆるオチ)を言ってしまうことをはばかるかもしれないが、すっきりはっきりとした説明をするには、逆に、

最初に言いたいことを打ち立ててしまった方が簡単

だ。出落ち方式はつまらないが、結論に「なぜか??」と問い続ければできてゆくので、伏線を張りながらオチを考えるようなことをせずに済む。書いたことの詳細に入り、さらにその詳細に入っていけばいいだけなのだから、出落ち式で書くのは楽ちんだ。

補足

文章のツリー構造ができても、まだ終わりではない。

文章の深さ、つまりどれぐらい詳細にわたって書くか、ということについて考えなければならない。

ツリー構造としては正常でも、ある部分だけ異常に詳しい、いびつな形となっていないかチェックすること。

 

また、当たり前だが、文章というものは文字が一列に並んでできている。

つまり、ツリーのどこから話を初めて、どの順番に話を進めるのか考えなければならない。

#ツリーの深さ方向の順番だけではなく、幅の方向もあるからね。

 

まとめ

  1. 言いたいことを一つだけにする。それ以外はただの説明。
  2. 段落、文、句、語の相互の関係を意識する。
  3. 言いたいことを説明するために、その他の要素を「ぶら下げていく」。宙ぶらりんの要素はいらない。

 

 

 

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