
【分かり易さの罠】研究者は分かり易く解説すべき、に対する反論
■結論: 研究者には研究者の本分があるから説明能力は補助的なものに留まる。その度合は分野による。
1. 研究者に限らず、何でもかんでも分かり易く表現することが可能なわけではない。それは無理であり、盲信である。
2. 部分的には、研究者も分かり易く表現することが望ましい。しかし、それはどの分野かによってその度合は異なる。
3. 研究者が解説に使える労力は、解説者よりも制限されていると考えるべき。それぞれの職分というものがある。研究者の言葉が分かりづらいのは、彼らの職業的理由から来ているものである。分かり易く伝達するだけが、言葉の機能ではない。確かな知識を生む難しい言葉も必要である。解説者の言葉の源となっているのは、これらの硬くて無味乾燥に見える記述なのだから。研究者は知識を生み出すことに言葉を使い、その翻訳は高コストであるか、不完全な結果に終わるのがしばしばである。